アントニオ・ザンブージョ来日公演
- 2015.05.09
先日5月3日と4日、ポルトガルからファド歌手アントニオ・ザンブージョが来日コンサートを行いましたので、
4日に行って参りました。彼は非常に軽やかで柔らかい声の持ち主で、ギターの弾き語りで歌います。
大声で叫ぶタイプではなく、ささやきが歌になるような、吸い込まれる声で包んでくれます。
伝統的なファドの要素を踏まえつつ、新しいアプローチが人気の歌手です。
私は音楽評論家ではありませんし、このレポートも偏っていますが、ご容赦くださいね(*^_^*)
東京・有楽町で毎年開催されている「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015」のプログラムの一つでした。
私が行った4日の公演はイベントの最終プログラムだったこともあり、ファドを知らない方もたくさん詰めかけて満席でした。
「ファドって何?」「あれ、オーケストラじゃないの?ポルトガルギターってどれ??」
そんな声が開演前の客席からたくさん聞こえてきました。終演後、この声がどう変わるのか、それも楽しみに開演を待ちました。
↑こちらはセットリストとメンバー。ほとんどMCはなくアンコールを入れて20曲演奏という贅沢なコンサートでした。
オーソドックスなポルトガルギター、ギター、コントラバスに、トランペットとクラリネットも入って伝統的要素とモダン要素を両方楽しめるプログラムが組まれていました。
とにかくザンブージョは音程が素晴らしい!!絶対にぶれません.
歌っているけどしゃべっているような歌い方、その中にあふれるザンブージョのチャーミングな人柄と、優しい彼らの世界観に、お客さんがどんどん心を開いていくのが手にとるようにわかりました。
まるで魔法にかかったようでした。
字幕もない中、ポルトガル語でどんどん歌が進んでいくので、内容はわからない状態でほとんどのお客様が聴いていました。
それでもザンブージョのさわやかな歌声に魅了されていくのです。ファドの中にある人の普遍的な想いが染み込んでいくといいましょうか・・・。
伝統的な編成での歌と、トランペットたちが入ってのモダン編成両方が味わえる演出で、ファドが初めての人でも入りやすいものだったと思います。
個人的に面白かったのは、「今日は母の日だった」という歌詞がでてきたところ。
ポルトガルは5月3日が母の日なのです、彼は微笑みながらこのフレーズを歌っていました(*^_^*)
そうそう、ポルトガルギター奏者が告知メンバーと違っていました。
登場したのはなんと、本国でも大人気のルイス・ゲレイロだったんです!!!
マリーザやカルミーニョらの伴奏もつとめる若手トップクラスの奏者で、音がとにかく鮮やかなんですっ。
私と、一緒に行っていたファドの生徒さんはこの事実に大喜びだったんですが、一体何人が気づいたのか(笑)
そして、終演後のお客様のお声がどうなったかと言うと
「いやぁ、いいもの聴いたわ」 「もっと早くファドを知っていたら良かったのに」
「あのポルトガルギターって楽器すごいね、いいよぉ」
「ポルトガルで聴きたいね」
私は心でガッツポーズ!!!!!
演奏はもちろん最高でしたが、沢山の方に「ファド」を知ってもらえる機会となったことに本当に感謝です。
素敵なSaudadeをありがとう、ザンブージョ!!
Obrigada, até logo!!