出国前夜はデボラが家に泊めてくれました。
あったかいお茶で乾杯、話は尽きません。
朝は車で空港まで送ってくれました。ありがとうデボラ!
車から見える景色にいろんな想いが溢れました。
師匠からの電話ももらい、あったかい気持ちに包まれてポルトガルに別れを告げました。
私の細胞ひとつひとつにポルトガルを染み込ませた今回の滞在。
空の青さ、街の香り、ファドの音、石畳の感触、大事な人たちの声、手のぬくもり、
全部私の中に入れて帰ってきました。
ファドに出会えて本当に幸せです。ありがとうポルトガル、ありがとうファド!
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今回の滞在の大きな目的、それは師匠アントーニオ・パレイラとじっくり過ごすこと。
昼間はファド博物館でレッスン、師匠が弾く夜は一緒に演奏、そんな日々を過ごさせてもらいました。
滞在中の最後の共演は、レストランCharrua do Lavrador。
働き者のオーナー夫妻とスタッフの人気レストランで、師の故郷アレンテージョ地方の内装です。
「思い出に残るファドの夜にしよう」そう言ってお気に入りのお店に連れてきてくれたパレイラ。
人生に大切な時間がまた増えました。
師匠とは今回たくさんたくさん話が出来ました。
出会えてどれだけ幸せか、私の家族や愛犬幹太のこと、日本の共演者たちも大事に思っていること。
これからのこと。
師匠がお別れにくれた聖アントーニオの像、リスボンの守護聖人。
私をいつも照らしてくれる師匠が日本でも守ってくれます。
小さなポルトガルギターの置物を買って隣に置いています。
(出発前日に一緒にお昼ごはん)
お別れ前の帰りの車の中で寂しさがお互いにこみあげてきてしまいました。
「サウダーデが湧き上がってきた。さみしいね、日本にすぐ行けたらどれだけいいか。」
そして
「こうあるべきでもあるんだよね。これが私たちのファドだから」
2人そろって自然とこう口に出てきました。
「離れているけど、いつも一緒。」
私の想いを歌い続けること、これが一番の恩返しです。
本当に本当にありがとう、またすぐに!
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10月12日(水)はファド博物館横のレストラン「Travessa do Fado」に師匠と出演でした。
演奏前のリラックスなひと時
チューニング中 ギタリスト、アントーニオ・ケイロシュさん
ちょっと上川さんに似てる!?
矢野さんも師匠アントーニオ・パレイラの横に並びました。
2階と1階を行ったり来たりで演奏、↑わかりにくいですが私歌ってます。
デボラから受け取ったショールで初めて歌う夜。
本日の演奏チーム、ファドの心に溢れる3人に我々も迎えてもらいました。
若手男性歌手ミゲル・カモンイシュさんが巧みな話術と歌唱力で盛り上げ、
気が付けば日付がかわる寸前。この夜が矢野さんの帰国前夜でした。
師匠アントーニオ・パレイラが本番の中で伝えてくれることもたくさん受け取って、矢野さんは一足早く日本へ向かいました。
帰国後の共演が楽しみです、お疲れ様!!!
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毎日開く新しい扉、めぐりあわせに感謝でいっぱいの日々です。
こちら、Casa de fadosの名店Adega Machadoでも心をいただきました。
17:00-18:00の早い時間にカジュアルにファドを楽しんでもらう時間を設定しているこちら、
この時間帯は先日会ったセルジオさんが弾いているので聴きにいってきました。
すると、「もちろん演奏するよね!」とセルジオさん、我々も参加しました。
写真はありませんが、私もソロで歌わせてもらいました。
「10%はテクニック、90%は心で弾くんだ」そう話してくれたセルジオさん(写真中央ポルトガルギター奏者)。
私たちを迎えて心を通わせながら弾いてくれました。
彼は必ず歌手やギタリストと目を合わせながら弾くんです。あの瞬間は言葉になりません。
「クミコとの演奏は本当に幸せなんだよ。ピュアな気持ちで一緒に弾けるから。何より大切なことなんだよ。」
そう話してくれた演奏後、嬉しくて涙が止まりませんでした。
彼とは出会って8年ですが、初心を忘れずいつも大きな心で演奏し、たくさんの人にファドの愛を渡している素晴らしい方です。
矢野さんもセルジオさんの横でいっぱい大切なことを受け取りました。
昼間ファド博物館で師パレイラのレッスン、そして実践となる夜の演奏活動、これを叶えてくれるファドの文化にありがとう!!
そして、セルジオさんが夜の部のAdega Machadoに私たちを招待してくれました。
ここではポルトガルギター奏者アントーニオ・ディーアシュさんとも再会。
そして、ラテングラミー賞にノミネートされた若手実力派歌手でありギタリストの
マルコ・ロドリゲスさんと初めて会うことができました。
お店の看板歌手マルコさん。なんと、マルコさんが2日後に私をゲストで呼んで下さることになり、
このお三方と演奏することも出来ました。心揺さぶられるたまらない時間でした。
マルコさんは有名ですごい方なんですが、ファドへの純粋な愛情をもった熱い人。
日本人の私たちがファドを演奏していることに対し「ありがとう」と真剣に言ってくれたのです。
彼の演奏の随所にそんな情熱が溢れていました。
セルジオさんとマルコさんに感謝と共に、快く私を受け入れて下さったAdega Machadoオーナーにも心から感謝いたします。
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9月に「Fado no Japão」で来日したデボラ・ロドリゲスと再会。
(こちらは9月9日のコンサート楽屋)
駅でデボラが思いっきり抱きしめて迎えてくれて嬉しかった。
日本のデボラファンの皆様、彼女はとても元気でしたよ。
「また日本に行きたい、皆さんに会いたい。本当にいい滞在だった」と改めて想いを話してくれました。
こうやって交流ができることは宝物です、カフェやランチでたくさん話しました。
実はデボラにお願いしていたことがありました。
ファドのショールを職人さんに頼んでもらったのです。
こちらのファド歌手のショールはフリンジがとても長く、なんとも美しいのです。
これはお店には出回っていません、私はそれを知らなかったのでずっと探していました。
職人さんにオーダーメイドで頼むもので、デボラが頼んでくれました。
ファド歌手にとってとても大切なもの。
手作業で作られ、同じものはない私のための一枚を受け取ることができました。
お願いした職人さんは高齢で、最近は作っていなかったのですが、今回特別に作ってくれました。
「これが彼の最後の一枚になるよ」とデボラが渡してくれました。
頼んでくれたデボラの気持ち、引き受けてひとつひとつ手作業で仕上げてくれた職人さんの魂もまとって帰ります。
身長に合わせてフリンジを切る作業は「任せて」とデボラがやってくれました。
ファド歌手の友情に心からの感謝を!
ちなみに私の顔のメイクはプロのエステシャンでもあるデボラが「プレゼント」とまつ毛エクステと共にやってくれました。
この夜歌う予定だと話すと気合たっぷりに仕上げてくれました、電車に乗るのがちょっと恥ずかしかったけど(笑)。
生まれて初めてのまつエク in ポルトガル
ありがとデボラ。帰国前にまた会う約束をして・・・
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顔つきも、体つきも、言葉も違う
なのに 心は通じる
違いだらけの中で見えた同じ気持ち
寂しい、会いたい、嬉しい、恥ずかしい、悔しい、悲しい、愛しい・・・
これこそFADO
Bairro Alto地区 ” Mascote da Atalaia ” にて
繊細な歌声が素晴らしいマルコ・オリヴェイラ&ポルトガルギタリスト リカルド・ロシャ
リカルドさんのするどく男気ある音が響きます。2009年以来、覚えていてくれました。
会いたい人に会ってきました、実力あるお2人です。
マルコは2008年にリスボンの空軍迎賓館で行った私のコンサートで、伴奏を務めてくれたこともあります。
(2008年12月 ポルトガルギターは師匠の次男リカルド・パレイラ)
(3人とも若いですね~~笑)
マルコは当時からギタリストとしても歌手としても注目されていました、
今やリスボンの名ホールCCBでソロコンサートも果たし、海外でも多く公演を行う一流演奏者です。
Marco Oliveira プロフィール(ポルトガル語&英語)
作詞作曲もてがけ、有名歌手にも提供しています。
マルコの変わらないおだやかな人柄、繊細な歌声に酔いしれました。
こちらは店頭に今日のアーティストが書かれます。
最近はホスト歌手1人とギタリストたちでファドを開催するお店も多くなりました。
お店によっては歌いたい人がいれば飛び込みもあり。
この日も私ともう1人歌っていました。
他店の出演者が挨拶に来たりもして、
そんなやりとりがとてもカッコよく見えるファドの夜です。
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リスボンでの時間、演奏することももちろんだけど、
様々な思いを心に、体に刻むことが私にとっては本当に大切。
外国人の私が歌うことを心から歓迎し応援してくれるポルトガル人がたくさん居る。
日本の皆さんも一人ひとり思い浮かべ抱きしめる。
縁結びの聖アントーニオの教会で一人過ごす、涙があふれて止まらなくなった。
師匠と同じ名のリスボンの守護聖人の前でただただ感謝した。
時々受ける中傷を恐れる自分が情けなく、泣いた。
非難する人よりも、私に愛をくれる人がこんなにたくさんいるのに、何を恐れていたのかと。
滞在1週間が経ったころ、いろんな想いを洗い出せたことが私にはとても良かった。
あと1週間、この石畳と、風と空と、
大切なポルトガルの友人たちの声と優しさを私に刻んで帰ろうと誓って。
愛すること、悲しむこと、悩むこと、喜ぶこと、すべて私のファド。
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10月7日はピアニスト ジュリオ・レゼンデとのコンサートでした。
昨年11月に東京で来日ジョイントコンサートを行ったジュリオと再共演です。
「ポルトガルへ来たら一緒にまた演奏しよう」と約束していました。
マネージャーのアナ特製の昼食後リハーサル。矢野さんも急遽出演が決定、ポルトガルデビュー!
かつて銃の製造工場だった建物をアートスペースに変えた会場、
「Fábrica Braço de Prata」、武器を楽器に持ち替えた場所です。
ギャラリーとライブスペース、図書館、レストランがあり夜な夜なリスボンの人たちが集まります。
木のぬくもりがあたたかいステージ。
サウンドチェック中
~ビデオ画像から~ ジュリオのトリオと
プログラム最後は「暗いはしけ」、私の書いた日本語で歌いました。
細胞ひとつひとつで感じて歌うジュリオとのファド、日本の時よりも心はより大きくふるえ声になりました。
満席のお客様と国を越えたファドの夜、糧となる時間がまた増えました。
ありがとうございました!
お店が撮影した動画は「こちら」をどうぞ。
『日本から吹いた風がファドの声を運んできた
ジュリオ・レゼンデと津森久美子の特別なファドの夜』
と紹介してくださっています。
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リスボンへ来たら必ず歌いに行くのがBairro Alto地区の居酒屋A Tasca do Chicoです。
こちらは曜日限定でファドの夜を行っています、今回も歌いました。
お店の所属歌手が歌うのではなく、歌いたい人が集まる「Fado Vadio」形式です。
Vadio(ヴァディオ)という言葉は「野良犬の」「持ち主のいない」等の意味があります。
つまり「みんなの」という解釈です、これがファド文化の良いところ。
このファド文化に私も迎えてもらって8年が経とうとしています。
最初に連れてきてくれたのは日本人ファド歌手の高柳卓也さんでした、ありがとうございます。
ファドの夜に欠かせない司会者でファド歌手のジョアォンさん。
「おお~、クミコ!おかえりー、もちろん歌うだろ?」
この歓迎をしてもらえるのが私の大切なファドの1ページ。
伴奏は信頼厚いプロのギタリストたちです。
ポルトガルギターのフラービオさん(右)はこちらで長く弾いています、
彼も音と心に寄り添うギタリスト。
ギタリストの間に立って、曲名を告げて前奏が始まるときはとても幸せになります。
このFado Vadioをやっているお店の素敵なところは、世界をまわるような歌手やギタリストたちが突然やってきたりするところです。
Mariza やAna Mouraも歌っていくことがありますよ。
最近は観光客も非常に多く、今回もお店に来るポルトガル人が減ってしまっていたので少し寂しい思いもありましたが、
変わらず皆がファドを愛してやまないエリア、
道を歩けばいろんなところからファドの音が聴こえてきます。
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滞在2日目10月4日、大阪からポルトガルギターの矢野太さんも合流。
待ち合わせ場所はファドの町Alfamaにあるファド博物館。
ここで9月に来日した師アントーニオ・パレイラと再会!満面の笑みで迎えてくれました。
矢野さんはポルトガルギターレッスンを受けに来たのです。
私も通訳と勉強で毎回同席。
ファドの真髄をたくさん手渡してもらう時間、このあとも毎回内容いっぱいのレッスンでした。
夕方、ポルトガルギターのメンテナンスでBairro Altoの楽器店へ。
こちらは師パレイラの友人である楽器匠アカーシオさんのお店。
さきほどのファドレッスン同様、ファド文化を支える大切な場所です。
すると同時にお店に入ってきたのは私が会いたかった人セルジオ・コスタさん!
今、一流店Lusoでレギュラーポルトガルギター奏者を務める方。
もう8年ほどのお付き合いです。売れっ子になっても昔と変わらず謙虚で優しく皆に愛されるセルジオさん。
この偶然は嬉しかった!
セルジオさんは弦を替えに来たところ、毎日のように弾くので弦の張替は頻繁に行うそうです。
ここで矢野さんに弦の張り方を丁寧に楽しく教えてくれました。
舞台裏でも素晴らしい人です。
2008年の留学時代には、車の中から歩く私に声をかけてくれたこともありました。
メンテナンスが終わるとアカーシオさんとセルジオさんの突然の速弾きセッションがスタート。
これが本当にカッコよかった!ポルトガルギターは哀愁もありますが、とびっきりカッコいい楽器でもあるんですよ。
師匠パレイラから、楽器匠アカーシオさん、そしてセルジオさんへとポルトガルギターがつないでくれた縁に旅の始まりから感激の我々でした。
このあとはBairro Altoで歌う夜です。
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