11月18日発売のポルトガルの雑誌「Visão」にジュリオ・レゼンデのコラムが載りましたので、日本語訳と共に紹介します。
今回の日本公演を終えて、胸の内を書いてくれました。
私について触れていたのですが、とても素敵な表現で、サプライズなプレゼントをいただいた気持ちです。
そして、やはり彼は表現者、この文章に脱帽です。ジュリオ、ありがとう。
また、難しい文章を美しい日本語にしてくださった木下眞穗さん、清水ユミさんに心から感謝いたします。
本文中のリンク先ではジュリオの小作品も聴くことができます。どうぞお聴き下さい。
●コラム「耳で読む」ジュリオ・レゼンデ(ピアニスト・作曲家)
visao.sapo.pt/julioresende1185 ” Visão ” 紙 2015年11月18日
「ありがとうございます」
悩み多き夜、あした本当に日は昇るのだろうかと思うことがあれば、日本の友人に訊ねてみるといい。
友人はすぐに答えてくれるだろう。
どこよりも先に日が昇り、誰に対しても敬意が感じられるこの地では「あした、太陽はあるだろうか」という問いへの答えはすぐに見つかるのだ。
ここでは、太陽は一日をかけて巡っていく世界のほかの場所でのようには、まだ分断されていない。
それゆえ、太陽は自分のものだと言う者もいない。
この国には津森久美子というファディスタがいる。
自分の内に日の目覚めを感じるようなある日、彼女は自身に問うた。
よその土地のよその音楽、幼い頃から耳に馴染みがあるわけでもなく、それなのに、異国の男に恋い焦がれるような情熱をかきたてる音楽を、どうやったらポルトガル語で歌えるようになるのだろう。
そんな問いに、久美子は愛と深い敬意で答え、今では日本でプロのファディスタとして活躍している。
旅人にとって、旅の幸せとは、家に帰ることだ。
きなくさい事件の前も後も変わらず、愛こそが太陽の軌道で一番重要なのだという思いとともに。
(日本語訳:木下眞穗 清水ユミ)
コンサート期間中にジュリオに
「『ありがとう』の後ろの『ございます』って何?」「名前の後ろの『さん』って何?」
と質問を受けて答えておりました。なるほどなるほど。
Continuo a cantar no Japão.Com amor, amizade e fado.
Até logo!
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「アマリア」のステージ写真が届きました、撮影はいつもお願いしている那波智彦さん。
ポルトガル大使ご夫妻も足をお運びくださり、満席御礼の中始まった、私たちのコンサート。
形式も、国籍も越えて、「FADOとは何か」を
ポルトガル人ピアニストと日本人ファディスタが追い求める
ピアノ : ジュリオ・レゼンデ
歌 : 津森久美子
オープニングはピアノソロから
MC中、笑顔がとてもチャーミングです。
ジュリオはピアノで歌います。歌と一緒の時も、共に歌うピアノなのです。
「ピアノで話した直後に、言葉で皆さんに話す切り替えが難しい」と言うジュリオでしたが、
日本の皆さんにピアノと言葉で思いを伝えてくれました。
ジュリオのピアノが私の心を揺さぶり、またひとつ新しい私を引き出してくれました。
アマリアの声と共演した「Medo」(恐れ)、ジュリオの魂の共鳴がアマリアの声をさらに輝かせます。
最終曲はポルトガル語と日本語で歌いました。
アンコールMC
「今ここは、ファドを愛するポルトガルの家。ジュリオを迎えるポルトガルの家」と名曲にちなんでお話すると、
客席から大きな拍手と笑顔が。ジュリオはとっても嬉しそうでした。
” 私の帰りを待ってくれている あの抱擁 ”
” これこそポルトガルの家 ”
お客様も参加のワンシーン
私たちの挑戦を見届け、ファドを共有してくださったお客様、ありがとうございました!
「ファドは自分にとって近い、近い存在が故に見落とすものがある。それを手にとり拡大し、
新たなアプローチをすることは非常に難しくもあり、素晴らしい挑戦だった」とアルバムリリースからを振り返るジュリオ。
「遠い遠い離れた言語を学び、歌おうとすることは勇気のいること。
久美子はそれにチャレンジして、大きなファドの愛で私たちを迎えてくれた、本当にありがとう」
コンサート後、この言葉を受けて涙がとまらなかった。
日本公演は終わりましたが、「これは始まり」私たちはそう誓いました。
ジュリオは日本を出発後パリへ飛びます。新しいアルバムリリースコンサートが続くそうです。
更なる挑戦を続ける姿を私も追いかけて、人の心を歌い続けます。
最後に、コンサート開催に際し、お力を貸してくださった皆様へ心から感謝いたします。
共催のポルトガル大使館の皆様、同じく共催の日本ポルトガル協会事務局の皆様、
音響のブレイク・タイムの皆様、企画相談から進行をつとめてくださったMさん、
通訳補助を引き受けてくれたJくん、ロビーまわりとヘアメイクをばっちり決めてくれたYちゃん、
心強いアートディレクターSさん、細やかな心配りをしてくださった会場のスタジオ・ヴィルトゥオージの皆様、
本当にありがとうございました。
Tenho orgulho em ser fadista.Continuo a cantar.
Obrigada todos.Até logo!
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ⓒ那波智彦
ジュリオ・レゼンデ来日公演「アマリア」、素晴らしいファドの夜、音の対話となりました。
足を運んでくださった皆様、ご協力くださった皆様、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
愛に包まれて、大きな一歩を踏み出すことができました。
ポルトガル大使ご夫妻もお越しくださり、満席御礼の客席に、心の奥底をゆさぶるジュリオのピアノが響きました。
彼の音が私を揺さぶり、時にあたたかな温もりで包み、私の中の何かを呼び覚ましました。
声もそれに応えるかのように感情をあらわにしました。
自分でも驚くほどに。
終演後、ジュリオとマネージャーのアナと。この夜を喜び合いました。
演奏写真などと合わせてまたご報告いたします。
ありがとうございました!
Obrigada, até logo!
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今朝、ジュリオと初体面!無事に日本まで着いてまず安心しました。
明日4日から始まる演奏の打ち合わせ、私すっかり緊張してしまったんですが、
とても心ある言葉をジュリオがかけてくれて、明日が本当に楽しみになりました。
で、今日はイベントがもう一つ!
ポルトガルを愛してやまない脚本家・演出家の桃井章さんのテアトロジャージャン第4回作品
「ホテルリスボア」の千秋楽にお邪魔しました。満席の客席で楽しみました!
実はこの作品では、歌で出演させていただきました。
シーンに合わせて私のファドが流れ、ある曲は重要なテーマとして登場します。
私の師、アントニオ・パレイラが弾く深みのあるポルトガルギターのイントロが、芝居をさらに引き立てていて感激しました。
出演者の皆様と桃井さん(右)と。
劇中でファドのフレーズを口ずさみ、また私の訳詞も朗読していただけて、幸せな思いです。
重いテーマなのにゲラゲラ笑えて、今を生きる自称「老老ユニット」の皆様の熱いエネルギーに圧倒されました。
ポルトガルの詩人アリィ・ドス・サントスを扱った芝居なんて桃井章さんしか書けない!
フェルナンド・ペソアの異名をからくりに展開する芝居なんて桃井さんしか書けない!
本当におもしろかったです、もっとたくさんの方に観ていただきたい想いでした。
出演者の皆様の快諾をいただきまして写真を掲載しております。ありがとうございました!
さぁ、意欲的な皆さんのエネルギーに刺激をたっぷりいただき、私の心も静かに熱くなってきました。
明日は、きっと素晴らしい一日になることでしょう。
ジュリオ・レゼンデ来日公演「アマリア」 明日11月4日(水)19時開演です!
当日券も若干数ございます、どうぞお越しくださいませ。
Vou dar o meu melhor!Até logo!
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ファド愛に身を包まれた大阪から東京にもどりました。
さぁ、いよいよ明日11月4日(水)となりました!!
ジュリオ・レゼンデ来日コンサート「アマリア」です!ジュリオ一行も無事に来日してホッと一安心。
ここで素敵なお知らせです!
当日ロビーにてアマリア・ロドリゲスの貴重なLPレコード展示開催が決定いたしました!
海外限定販売のものや、アマリア直筆サイン入りの1枚も並びます。
当日はどうぞお早めにお越しいただき、じっくりとアマリアの世界にお入りください。
お席はまだ若干数ございます、当日券もありますので、お越しくださいませ。
さて、今日は朝からジュリオと顔合わせ&打ち合わせです。
ワクワクドキドキで行って参ります!!
Até logo!
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11月4日(水)ジュリオ・レゼンデ来日コンサートチケットが残りわずかとなりました。
ジュリオは東ティモールから日本へ、大航海時代へ思い馳せる旅を経てやってきます。
以下、彼のコメントを紹介します。
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Japão, Timor! Novembro será um mês bonito e antes do Ccb, será a primeira vez que irei até ao Japão e a Timor. É uma grande honra para mim. Uma honra navegar para onde os nossos antigos chegaram há muito – muito antes de mim – com suas vozes carregadas de saudade. Pergunto: Quanta dessa saudade fez fado?
日本、ティモール!11月は素敵な月になりそうです。
リスボンのCcb公演を前に、初めて日本とティモールまで行くのですから。
これは本当に光栄なことです。
この喜びに導かれて行くのです、私よりも遠い遠い昔に先祖がたどり着いた地へ、
サウダーデに満ちた声と共にたどり着いた地へ。
私は問いかける、どれだけのそのサウダーデがファドになったかと。
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コンサート当日、この想いがピアノにのって皆さんに伝わることでしょう。
私の声も、この想いに乗って皆様にとどきますように!
11月4日(水)「アマリア」18:30開場 19:00開演
前売りチケット4000円(全席自由席) 当日4500円
新大久保 スタジオ・ヴィルトゥオージ
主催:オフィス フロール
共催:ポルトガル大使館 日本ポルトガル協会
Até logo!
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11月にピアニストのジュリオ・レゼンデさんとコンサート「アマリア」を開催するにあたり、
ここ何か月間は世界屈指の歌姫、故アマリア・ロドリゲスを追っています。
どんな人だったのか、何を憂い、何を愛し、どう生きて、そして歌ったのか。
私がファドを歌い始めて12年が経とうとしていますが、偉大なるファドの女王はあまりに遠い存在です。
また素晴らし過ぎる歌唱力が故に、2003年から歌うにあたり、私は「アマリアは参考音源にしない」という決め事をしました。
ポルトガル語初心者が参考にするとファドとして成立しない超上級音源だったからです。
それ故、ある一定の時期までアマリアを参考にすることを自分では禁じていました。
決して嫌いと言うわけではありません、逆です。
それでも自然と彼女の歌は耳に入ってきますし、ポルトガルに住んでいれば、ラジオから、お店から、
ポルトガル国民が愛するディーヴァの声が聴こえて、私の中にも住みつくのです。
アマリアの悲しみが、喜びが、戸惑いが、生きることへの想いが。
ポルトガルの師匠はアマリアの伴奏もしていましたから、当時の話を聞いたり、アマリアの家にも足を運び、
また、ファドに生きる人たちから、ポルトガル国民からアマリアをどう思うかについても聞いていました。
そして、遠ざけたにも関わらず、私のレパートリーはアマリアの代表曲にあふれ始めました。
これは現地ポルトガルの歌手たちが愛し歌っていた曲を、私も愛し取り入れた結果でした。
これに気が付いた頃、ポルトガル語も多少話せるようになっていましたし、アマリアを参考にすることを解禁しました。
基本的には1曲に対し、様々な歌手の音源を聴きます。
現地の修業先のお店で何度も聴いて身体に入れることが殆どでしたが、次のステップでアマリアを聴くと、
唸るばかりでした。最終的にはそれを経て自分の歌い方に落とし込みます。
自由なようで伝統と型があるのがファド、先駆者たちの歌は宝です。
10周年の区切りを迎えた後、アマリアにとことん向き合ってみたいと考えだしました。
すると今回のコンサートの機会に恵まれました。
6月の天草ではアマリアが笑う写真が待っていました。
「これは呼んでもらえたんだ」
と、おこがましくもそうとらえることにしました。
人生において「縁」というのはそういうものだと私は思うのです。
私が歌い始めた2003年、アマリアはもう亡くなっていました。
会ったことはありません。
でも、それだからでしょうか。
余計に「アマリア」という存在が人々の心に生き続けていることを発見するばかりでした。
ジュリオのマネージャーから、ある本を教えてもらいました。
アマリアがまるで語っているように書かれた本
「AMÁLIA UMA BIOGRAFIA POR VÍTOR PAVÃO DOS SANTOS」です。
日本語版もあるので、読み進めています。
この本は前に見たことがあったのですが、その時は手にとれませんでした。
ポルトガルの文化もファドの歴史もまだわからないままだったので。
今、手にとって良かったとページを開きながら感じています。
冒頭にアマリアが言っていたことが、かつて自分も思った人生への疑問と重なったことにちょっと身震いしながら、
アマリアに会っているような気持ちで読み進めています。
アマリアを歌う、でも歌うのは私の人生、人の普遍的な感情。
FADOは今を生き、蘇り、また紡がれていくのです。
アマリアはこう言っています。
「誰かの人生の一部に、私の歌がなっている。」
なんて素敵なのでしょう。
Até logo!!
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11月4日のコンサート「アマリア」、チケット発送作業が事務所で進んでおります。
折り返しのお知らせからわずか半月、おかげさまで残り少なくなってきました。
9月にこんなお知らせをすることが出来るなんて、本当に嬉しいです。
皆様ありがとうございます!
このコンサート、とてもドキドキしています。
そして、ジュリオのピアノの音が聴けることにワクワクも。
繰り返しのご案内になりますが、お考え中の方はどうぞお早めにお申し込みください。
Até logo!!
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おかげさまで11月4日のジュリオ・レゼンデ来日コンサート「アマリア」は
たくさんのお申し込みをいただいておりまして、チケットの残りが半数を切りました。
恐らく早めの満席が予想されます、お考え中の方はお早めのご予約をお願いいたします。
本当にありがとうございます!!
「特設サイト」もオープンしております。よろしくお願いします!
Até logo!!
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昨日は2回目の会場下見、今回は舞台監督と一緒に設備関係などを確認。
出来たてのフライヤーも会場にお渡しして、ますます気持ちは高鳴って参りました。
おかげさまでチケットのお申し込みを続々といただいております、ありがとうございます。
早めの完売が予想されますので、お早目のご連絡をお願いいたします。
なお、8月17日から22日はオフィスが夏季休暇となります、ご注意ください。
Até logo!!
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