人生を愛して
- 2013.10.21
3rdCD「ツバメの旅」にこめて その4「人生を愛して」
ファドを歌っていて、最近自分が何を見つめて、何を欲してきたか、やっと口に出して言えるようになりました。
以前は照れくささ、そういったものに打ち消されていたところがありましたが、それは甘えだったのでしょう。
今は自分が何を見つめているのかはっきり言えます。
「生きることへの愛情」です。
私の身近なところでも介護問題があったり、ニュースで見る育児放棄があったり、世の中が便利になればなるほど、「なぜ」という人間性を欠いた問題が浮かび上がります。
介護関係が仕事の母とはそんな話を毎日のようにします。
お金は大切です、でもお金があれば絶対幸せだとは私は言い切れません。
側でささやかな喜びを一緒に笑えること、空の青さに喜べること。
涙を一緒にぬぐえること。
あなたの「ここ」が素晴らしいと目の前の人を褒められること。
もっと素直にそんなことを言いたい、そう抱えてこられた方は多いのではないでしょうか?
今回、CDの最後に収められている曲「人生を愛して」とは偶然の出会いでしたが、私のそんな思いを優しく包んでくれました。
現代社会で足りないこと、異国の音楽ファドが伝えられることがたくさんあると確信しています。
ポルトガルのファドは、そんな現代社会に「生きることへの愛情」を与えてくれます。
ファドの歌詞には、人を褒め、たたえ、感謝するようなフレーズがたくさん出てきます。
人生の苦難を乗り切って生きていきたいと純粋に願う心が書かれています。
これから共に楽しもうという時には皆で歌います。悲しみは皆で共有して明日への糧にします。
そういったことをファドでお渡しできたらと私は切に願っています。
ライブのDMをこれまでのお客様に書きながら、いろんなことを考えていて、私が何をお伝えしていきたいのか、はっきりしなくてはと思い、ここに綴りました。
あまり時事問題などで言及することもこれまでしてきませんでしたけれど、これからは私が何を考えて、何をファドにこめていきたいか、もっとお話していけたらなと10周年を機に思いました。
またそんなことも書いていきますので、お付き合いくださいね。
人生は一度きり、愛していきましょう。
人生を愛し、生きる権利が皆にあるのですから。
まず、私自身がもっと愛せるようになろうと思います。
Até logo!