ツバメのお話
- 2013.10.19
3rdCD「ツバメの旅」にこめて その3 「ツバメのお話」
” 空を舞うあのツバメは黒い喪服を着ている そしてその黒い鳥が春を運んでくる ”
ファド「トニカ・ネグラ」より
ライブでも何度もお話していますが、ポルトガルでは「ツバメ」は『喜び』をつかさどる鳥です。
春を運んでくるからです。
私は、この「トニカ・ネグラ」の歌詞が大好きで、実際にリスボンで青い空に舞うツバメを見つめていました。
ツバメと反対にあるのは「カモメ」で『悲しみ』をつかさどります。
一般的に日本では「ファド=カモメ」のイメージが強いですが、私には「ツバメ」も舞っています。
2005年に初めて訪れたリスボアで、太陽のような歌手に出会いました。それが故マリア・ベンタさんでした。
彼女が歌ったとある明るいファドに面喰いました、とても強い愛と前向きさで人生を讃え歌っていました。その曲がこの「トニカ・ネグラ」で私はすぐ教えてもらいました。
ベンタさんは快く歌詞を教えて、情熱も注ぎ込んでくれました。今では私のテーマ曲といってもいいかもしれません、歌う時には必ずベンタさんの姿が浮かびます。
10周年を迎えるにあたり、昨年からデザイナーさんと1年をかけて話し合い、自分自身の歩みを見つめると自然と「ツバメ」が飛んでいました。
必然でした。
日本とポルトガル 歌紡ぐツバメの旅
私自身を重ねて、ファドで「生きる喜び」を運べるようにと願っているから。
もちろん、私は悲しみのファドも歌います、こちらも大切なファドです。
悲しいファドでも、明るいファドでもその先にあるのは「人生を生きること」。
何があっても明日も生きなくてはならない、だから歌うのです。
強風にあおられてもツバメは海を飛び続けます。皆さんに伝えに行きたい、これが私の思いです。
10周年ライブツアーとアルバム、同タイトル「ツバメの旅」にはそんな一羽のツバメが飛んでいます。
聴いていただけたら幸せです。
Até logo!!