ちきゅうラジオ「ポルトガルてんこもり!」その②ファド
- 2019.08.06
「ポルトガルてんこもり!」7月28日放送当日、
オンエアーの約2時間前にNHK放送センターへ入りました。
生後2か月の娘も控え室に夫と同行して応援団を務めてくれました。
オンエアー直前、娘に「行ってきます」と伝えてスタジオへ。
私が担当するのはリスボンとファドについてのお話と演奏。
限られた時間の中でファドをどれだけ取り上げられるか、
ディレクターさんと6月から打ち合わせをし続けてきました。
今回選んだファドは3曲。
3rdアルバム「ツバメの旅」の伴奏音源に乗せて歌いました。
曲名と演奏者はこちら↓
①「O Marujo Português ポルトガルの水夫」
ポルトガルギター:アントーニオ・パレイラ(私の師匠)
ギター:ギリェルメ・カルヴァリャイシュ
コントラバス:ジョアン・ペネード
ポルトガルの船乗りを称えたアップテンポの曲。
②「Naufrágio 難船」
ポルトガルギター:上川保
ギター:水谷和大
日本でも人気の高いファドのひとつ。
夢を諦めるさまを歌ったファド。しかしながら、
そこには、次の夢を手にするための強さも溢れている。
*時間の都合上、編集してショートヴァージョンで歌いました
③「Senhora da Nazaré ナザレのマリア」
ポルトガルギター:上川保
ギター:水谷和大
猟師町ナザレの漁師が祈る姿を歌う。
人生と海の波を重ねた詞が美しい1曲。
以上のタイプの異なる3曲にしました。
明るいものも、暗いものもファドです。
ラジオでもお話しましたが、ファドは人生の讃歌、
喜びも悲しみもあります。
日本では「ファド=暗いだけ」という誤解がまだありますが、
ポルトガルの水夫のようにアップテンポで明るく歌うものもたくさんあります。
愛する街や、
人を称賛する歌がたくさんあるのも、
ファドの愛です。
(私が修業させてもらったリスボンのお店)
そして、冒頭にアカペラで一節歌ったのは
「Estranha Forma de Vida このおかしな人生」
(曲がFado Bailado 詞がEstranha Forma de Vida)
の歌い始め部分でした。
ファドの女王 故アマリア・ロドリゲス作詞の名作です。
アマリアが作詞家としても高い評価を受ける代表的な作品のひとつです。
自身の心からの言葉、叫びが聞こえます。
カトリックの国ポルトガル、
自ら命を絶つことはタブーです。
つまりは、どんなに辛くても生きていかなければならない。
しかしながら、人は悲しみや辛さで立ち止まってしまうもの、
誰かの胸で泣きたくなるもの。
ファドは時に母親の胸のように、心を包み泣かせてくれます。
明日への一歩を踏み出すため、
歌い、心を浄化し、
喜びはさらに大きくして、
また扉を開いて明日を迎えるのです。
私も、そうやってファドに救われてきました。
今も支えられているのです。
その③はポルトガルギターについて
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