裸の心
- 2019.11.16
12月7日(土)のマヌエル四ツ谷さんでのライブへ向けて
ギターの田中匡典さんと初合わせでした。
ポルトガルギターは渡辺隆哉さん。
初めての緊張感ってとても良いのです。
ファドの特徴のひとつである歌の止めが、
どこで入るかわからない状態にあえてしてリハーサルをするので、
私の歌の力も試されます。
音でのやりとりがファドの醍醐味でもあります。
12月7日(土)のマヌエル四ツ谷さんでのライブへ向けて
ギターの田中匡典さんと初合わせでした。
ポルトガルギターは渡辺隆哉さん。
初めての緊張感ってとても良いのです。
ファドの特徴のひとつである歌の止めが、
どこで入るかわからない状態にあえてしてリハーサルをするので、
私の歌の力も試されます。
音でのやりとりがファドの醍醐味でもあります。
松山から戻った翌日は、
「よみうりカルチャー荻窪校」講座へ。
アマリアが自身の生き方を綴った詩
「Estranha Forma de Vida」
邦題は「このおかしな人生」。
曲は古典ファド「Fado Bailado」、これにこの詩を乗せます。
語るような冒頭と最後の間合いも聴かせどころ。
どんな間合いが生まれるでしょうか。
じっくり時間をかけて今期皆さんと取り組みます。
Até logo!
11月10日(日)愛媛県松山市民会館小ホールにて、
ファド歌手ミゲル・カモンイスを迎えての「ファド・ノ・ジャパン2019」松山公演を
満席近いお客様と共に過ごすことが出来ました。
足をお運びくださったお客様、
主催の松山ファドクラブの皆様、
関係者の皆様、ありがとうございました。
松が美しい能舞台で歌わせていただきました。
ミゲル・カモンイス(ファディスタ)
津森久美子(ファディスタ・ギター・通訳)
上川保(ポルトガルギター)
山本真也(ポルトガルギター・ギター)
私は演劇時代に狂言を学び、
能楽堂に上がらせていただいたことがあるので、
この厳かな美しい舞台で演奏が出来ることは
個人的に嬉しい経験でした。
今回の主役、素晴らしい歌声と人柄のミゲル・カモンイス。
愛の歌、リスボンの日々の歌、お祭りの歌、
サウダーデの歌、涙の歌、
様々なファドを聴かせてくれました。
数年前にリスボンで共演した時には、
こうやって一緒に日本でコンサートが出来るなんて
二人とも想像していませんでした。
彼がヨーロッパ外で国外公演を行うのは
今回の日本ツアーが初めてだそうで、
特別な思いでポルトガルから来たそうですよ。Parabéns!!
前日のリハーサルからアイデアがたくさん生まれ、
本番では様々な編成スタイルでお届けしました。
カーザ・デ・ファドでの伝統的なスタイル、
ファドの女王 故アマリア・ロドリゲスの伴奏隊の立ち弾きのスタイル(マイク無し)、
2人のファディスタでお客様との掛け合いのスタイル。
そして、アンコールでは
ミゲルが故郷アレンテージョの歌をアカペラで1人で歌ったりも。
15年前に出会い、私の人生をかえてくれたファド。
さらに背中を押してくれた特別な1曲を
ポルトガル語と日本語で歌いました。
ミゲルはお客様に想いを伝えることも好きだと終演後に教えてくれました。
何故目を閉じて歌うのか、
自分にとってファドとは何か、
お客様の心に寄り添いながら語り、
ファドの世界にいざなってくれました。
お話のまとめ方が上手なステージングも
彼の素晴らしいところ。
どんどんお客様が心を開いてゆくのを感じました。
言葉が的確なので、通訳が非常にしやすかったのも、
ミゲルのこれまでの心ある仕事の経験からだと感じました。
コンサートの終盤、ミゲルが嬉しい言葉をくれました。
「日本のファド演奏家がこんなに素晴らしい演奏をすることを、
ポルトガル人として誇りに思う」と。
通訳しながら泣いてしまいました。
ミゲルももらい泣きしていたような・・・。
この「ファド・ノ・ジャパン」は、
ポルトガルから若手ファディスタを招き、
日本のファド演奏家と各地で共演するツアープロジェクトです。
今回松山での私たちとの共演にあたり、
ミゲルは現地アーティストとの演奏と変わらず
リハーサルから全て本気で応えてくれました。
そのことにも心から感謝します。
Até logo!