昨夜の「O Faia」に引き続き本日もCasa de Fadosめぐり。
今日は名店「Sr.Vinho」こちらはファディスタのMaria da Féがオーナー、お料理にもファディスタの歌にも彼女のこだわりが感じられるお店でした。

街の中心からは離れた場所にあります。この紳士のロゴが目印、お料理のお皿にもこのロゴが入っています。

お席は演奏の場所の目の前、アレンテージョ地方の伝統のお皿や古い楽器が飾られてとてもいい雰囲気です。
こちらで師匠アントニオ・パレイラの長男であるパウロ・パレイラが弾いているのですが、今日は男性ファディスタのカマネーの伴奏でポルトへ行っているとのこと。彼の素晴らしいポルトガルギターを聴きたかったのですが、実力あるギタリストは6月は多忙で飛び回っているので仕方ありません。

ほぼ真っ暗でごめんなさい、「フラッシュ撮影禁止」なのです。
このお店はそういった配慮が素晴らしく、着席した際に「フラッシュ撮影禁止、動画撮影禁止」が伝えられます。
また、お客に対してもきちんと「静かにさせる」ことを徹底します。ファドが始まる際に明かりを暗くして、普通ならすぐ演奏者が出てくるのですが、このお店は明かりを落としてスタッフが「シー」と音を出し静寂を作ります。そうなってから演奏者が入ってくるのです。
歌手がオーナーだけあって納得でした。
歌手はなんと5人、女性が4人と男性1人でしたが、レベルは高く、カスティーソとマルシャの曲をメインに展開されていました。
歌手の歌う奥でオーナーのマリア・ダ・フェが厳しくチェックをし、あとでダメだしがあるので、歌手たち、特に最初の方に出てくる若い女性歌手たちは真剣に取り組んでいるのが手に取るようにわかります。一曲一曲全力で歌っているので、一人一人の個性が余計に見えてきて、私は彼女たちにとても好感をもちました。
私は歌手の視点でどうしても見てしまうので、偏ったレポートになっているかもしれませんがご容赦を。
マリア・ダ・フェの考えるファドが継承されているので、ジェスチャーや選曲に共通するメソッドが見受けられました。恐らく「こんな曲をいれなさい」という指示があるのでしょう。さらに女性歌手は衣装面や声の点でもクリアしなければならないオーナーからの課題が多くあるようで、そのひたむきな姿が美しかったです。
もちろん声量、言葉の運びも上手な方が多く、順番にうまい歌手が出てくるのも一流店ならではでした。
昨夜の「O Faia」も家族運営の店ですが、ヴィオリスタの家系が運営しているのでお店の個性が異なります、この違いも聴き比べるには興味深い点です。
最終的にオーナーのマリアは歌わなかったのですが、トリを務めた40代の女性の方が素晴らしかったです。
5曲すべてファド・カスティーソで、各曲詩の行数の異なるものを選んでいました。つまり、4行詩のあとに4行詩というように同じ構成の詩を続けて歌わないことが粋なのです、この約束を知っている歌手は少ないと同行したポルトガルギター奏者の月本さんが教えてくれました。
伝統と格式を守る…と言ってもファドの歴史は200年ほど、今の形のようになってきたのは100年前後のことなので、いろいろなあり方があります。それぞれの店が「こんなファドを」と守っているものがあり、それを発見するのも楽しいところです。
さて、この一流店のあとは、真夜中の、いや明け方のファドの店へはしごとなりました。
まったく違う世界が待っていて、度肝を抜かれるのですが、続きはまた。
Até logo!
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昨夜は日本からお越しのお客様とファドのお店をはしごして聴いて参りました、素晴らしい夜でした。

まず、シアードにある「FADO in CHIADO」(ファド・イン・シアード)。
こちらはレストランではなく、ショー専用の劇場タイプで、照明や映像も合わせてとても見やすく演出されています。
早めの19時スタートで上演時間は約50分、途中休憩はなく、ファディスタが男性・女性1名ずつと、ポルトガルギター、ギターの4人で行われます。
この見せ方がとてもよかったし、この日の歌手もよくていい日に来ることができました。
男性歌手は先日パテオでも一緒になった若手André Vaz、古典からポピュラーまで歌える注目歌手です。
長身でハンサム、ステージ映えする歌手で、過去にファドを題材にしたミュージカルにも出演しています。現在はこの「FADO in CHIADO」をはじめ、名店「LUSO」「O Faia」そして、「Velho Páteo de Sant’Ana」などで日替わりで歌っています。

ショーは最初はポルトガルギターだけが暗闇に浮かび上がり、その後ギター、歌手と次々に現れ古典ファドを男女で掛け合いながら始まります。

女性はMafalda Taborda、彼女も若手ですが実力派で名店「O Faia」でも歌っています。
その後各歌手のソロがあり、インストルメンタルがあり、マルシャ(マーチや歌劇での歌)で盛り上がって、あらゆるジャンルを見せてくれました。
気軽に楽しみたい方にはお勧めです。

続きましてBairro Altoの名店「O Faia」!

偉大なるファディスタ故Lucília do Carmoが小さな店から今の規模まで育て上げた格式のある名店です、お料理やホールのサービスも見事です。

お店には彼女をたたえたアズレージョタイルが飾られています。8年ぶりにこのアズレージョに会いに来ることができました。
私のレパートリーの中に、彼女の得意曲もいくつかあり、とても感慨深くタイルの前に立てました。
今夜の歌手は
Mafalda Taborda(偶然にもさきほどFADO in CHIADOでも歌っていた)
Ricardo Riveiro
Anita Guerreiro
Lenita Gentil
というラインナップ、ものすごく豪華でした!マエストロAntónio Rochaは喉の調子が悪く今週はお休みのとの事ですが、彼を欠いてもこの歌手揃えはさすが名店「O Faia」。
トップバッターのMafaldaを除いてはギタリストもすべて先日「馬車博物館」で聴いたメンバーでしたが、今回はマイクなしでCasa de Fadosで聴く「これぞファド」という演奏、やっぱり良かったです!
2番手Ricardo Riveiroの「Fado Pedro Rodrigues」がとても良くて、それだけでも満足だったのに、後半二人はやはり圧巻でした。

70歳を越えたアニータ・ゲレイロ、もと劇場歌手でお客様へのパフォーマンスもお手の物。
マイクを通してよりも、生声でお店で歌う彼女の歌は言葉の運びがきれいで耳に綺麗に入るのです。
先日のステージよりも断然お店での彼女が良かった!お茶目にお客とやりとりして、客席が和らいだところに見事な歌を投げ込む。
70歳を越えたとは思えないパワフルなステージで、彼女のことがとっても好きになってしまいました。

そのアニータの後には、Bairro Altoのディーヴァ、レニータ・ジェンティル!毎晩トリを務める不動のトップ歌手です。
その歌唱力、内面の強さ、全力の歌いっぷりが圧巻!
「あなたについていきます!」と言いたくなる存在感、強靭な喉は恐らく生まれ持ってのもの。
彼女が出る直前に「あなたのMaria Madalenaが大好きなんです、歌ってくれますか?」と伝えたところ、「わかった、歌うわね。」とルッシーリア・ド・カルモから受け継がれてきた名曲を歌ってくれました。
恐らく世界中に「もう一度彼女を聴きたい」と2回目・3回目に訪れる方がいるはずです。現に私たちのテーブルはそうでした、客席すべてが彼女に吸い込まれていくのが手に取るようにわかるのです。
この日は名曲「Nem às Paredes Confesso」と「Lisboa Antiga」まで聴けたので大満足。
最後は大合唱、心臓がドキドキしてしまう興奮のファドのステージなんて久しぶりで、歌姫に完全にやられてしまいました。もちろん「やられてしまいたい」と思って行ったのですが、予想以上にノックアウトされました。私のつたない日本語では伝わらないかもしれないのですが、日本の皆さん、どうぞ歌姫レニータにやられてしまってください!
彼女はBairro Altoのディーヴァです!
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ケーブルカーシリーズ第2弾!
こちらはバイロ・アウトへ上る「グロリア線」、通常は黄色の車体ですが、6月は特別アズレージョタイル仕様。
ラヴラ線とはまた違う構成で、綺麗です。
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今日も素敵な出会いがありました。
数年前に大阪でご一緒したポルトガル人画家ジョアン・カルヴァーリョさんと久々の再会!
そしてお隣には今回初めてお会いした作家のソニア・ロウロさん、昨年10月に出版された「アマリア」の著者で、ジョアンさんのご紹介でお話をすることができました。
昨年ポルトガルの書店でみかけて気になっていたので、嬉しかったです。まさか著者ご本人にお会いできるなんて・・・・、本もいただきました、読ませていただきます。

今年は徳島は「モラエス来住100年記念」で、ジョアンさんの作品展「いちもく・一目」が現在徳島で開催中です。
間もなくジョアンさんも日本へ出発されます。
出国前に会いましょうと約束をしていたのですが、ソニアさんもいらっしゃって下さって、よき出会いの場となりました。
ジョアンさんは日本滞在をとても楽しみにされています、よき旅となりますように。
日ポ友好470周年、モラエス在住100年記念 ジョアン・カルヴァーリョ作品展「いちもく・一目」
眉山山頂モラエス館 5月26日ー6月26日
阿波おどり会館2F 7月1日ー7月7日
徳島方面の皆さま、どうぞお出かけくださいませ。
Até logo!
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ポルトガルと言えば路面電車にケーブルカー、風情があっていいですよね。
こんな黄色い車両が走ります、この写真は以前撮影したもの。
6月、このケーブルカーがお召し替え!!

アズレージョタイル仕様でとても可愛いらしい!!
ポルトガルのこういうところが大好きです。
この線はアヴェニーダ駅近くのラヴラ線です、もう一本バイロアウトへ上がるグロリア線もアズレージョタイル仕様になっていますので、リスボンへお越しの方はチェックしてくださいね。
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ポルトガルの花と言われてまず頭に浮かぶのは「ジャカランダの花」。
紫色の美しい花です。6月はこのジャカランダの紫に街が彩られます。

ジャカランダの並木道。
今年は春に雨が多く寒かったせいで、花は少なめだとタクシーの運転手さんが言っていました。
リスボンは建物が黄色とかピンクなどパステルカラーのものも多いのですが、このジャカランダの紫とパステルカラーの建物、青い空、白い石畳の色がとても合う絵画のような風景になります。
今日はこの道を通って友人に会いに行きました。
Até logo!
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今日は、素晴らしい方にお会いすることができました。
ファド歌手アントニオ・ロシャさん、名店「O Faia」で歌う偉大なファディスタです。
これまでこんなにも「マエストロ」という言葉が似合う方に出会ったことがありません。
初めてご挨拶をさせていただきましたが、とても丁寧に礼儀をもって対応してくださいました。
ファド博物館での演奏があり、師匠たちが伴奏だったので控室でご挨拶させていただくことが出来ました。
昨日からリスボン入りしたポルトガルギター奏者の月本さんと、リハーサルから見学させてもらいました。
魂が、熱き血潮が、言葉に、ファドに、生き方に・・・。すべてを声に乗せて、マエストロは魅せて下さいました。
その人柄もすべてファドと申し上げていいでしょう、ギタリストからもファディスタからも、ファド関係者が皆彼を慕っています。
歌を聴くとわかるなんて軽薄かもしれませんが、そう感じてなりませんでした。気が付けば涙が流れておりました。
ファド博物館のあとは、マエストロを追いかけて、ベレンにある「馬車博物館(Museu dos Coches)」へ月本さんと参りました。

何故「馬車博物館」かといいますと、「LISBOA loves FADO」と題しましたユネスコ文化遺産を祝うfestaのコンサートが行われたのです。
今月こちらで数回行われるのですが、今日は名店「O Faia」のトップ歌手とギタリストによるコンサートで、マエストロももちろん出演!

まず最初は若手リカルド・りベイロ、若手と言っても一流の方です。声量と声の美しさは圧巻!
チャーミングな部分がトーク中も随所に出てきて、人柄の良さもうかがえます。
以前、小野リサさんがテレビ番組でリスボンを訪れてファドを歌った際に、サポートしたのが彼です。

そして、マエストロ!荘厳な雰囲気のステージに立つ姿も美しい・・・。
一番手のリカルド・りベイロが「彼はファドの歴史の一部、最後のestilista(文体に凝る人、名文家)」と紹介したのが印象的でした。
マエストロの顔が真っ赤になるほどの全力の声が、どんなに遠くても、心をわしづかみにします。

ラストは名店のトップ歌手レニータ・ジェンティル、強さと柔らかさをあわせもち、圧倒的な声量と存在感で魅せてくれる方です。
この店が受け継いできた名曲「マリア・マダレナ」(Fado das horas)をやっと8年越しで聴くことができました。
私が初めて覚えたカスティーソで、8年前にお店に聴きに行ったのですが、その日は彼女は他の曲を歌ったので聴くことができませんでした。
だから、本当に嬉しかったし、私に熱い気持ちを注入してくれました!

最後は大合唱&スタンディングオーベーション。やっぱり「O Faia」は凄いです。
この興奮と熱い想いを抱えて夜はいつものお店「パテオ」へ行って歌いましたが、「自分はまだまだやなぁ」と痛感。
リスボン3日目、追いかけたい目標がまた一つできました。
マエストロ、これからもお元気で歌ってください。
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リスボン初日から師匠と満席のお店で演奏に参加しています。
6月は「Festa de Lisboa」のお祭りがあるベストシーズンなので、本当にお客様が多く、お店は大広間と中部屋の2箇所を使い、ギタリストはそこを往復します。
私もギターを抱えて全曲伴奏にも参加していますので、知っている曲知らない曲もとことん弾いて見て聴いて覚える最高の修業状態に入らせていただいています。
短いインターバルの間にコードをメモしていたりで、ゆっくり写真も撮れないほど。
さて、昨日の昼は特別な昼でした。
師匠の勤務する「ファド博物館」へTeresa Tapadasという歌手の演奏を聴きに行き、その後「博物館のレストランテラスで弾こう」という師匠提案で、テラスのテーブルを囲んでエンドレスファドメドレーを弾きまくる午後でした。
キーだけ決めて、その後ファド・カスティーソをどんどん展開させていくのですが、師匠の他の生徒さんと私はあまりに高いレベルについて行くのもやっと。でも、これが本当に幸せなことなのです。
こんなこと日本ではできません。
レストランオーナーが気に入って下さって、お料理やワインを差し入れてくれました。誰かに聴かすわけでもありません、ただただ好きで、愛して、弾いているのです。こうやって伝えてくれる師匠に感謝感謝です。
そのあとは私も歌って、リハーサル。
空は快晴、気持ちのいい風、師匠たちの演奏と美味しいお料理と、みんなの笑顔。
「私幸せ」(Estou Feliz.)と一体何回連呼したことか。
写真はユネスコ無形文化遺産登録のロゴシール、師匠にもらいましたヽ(^o^)丿
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日本の家から約20時間以上をかけてリスボンへ到着!
家から約24時間かけての旅路、へとへとでしたけど、友人が迎えに来てくれてホッと一息つきました。

今回のお部屋はこちら、とっても可愛いベランダ付のお部屋です。陽当たりもよくて、一ヵ月間楽しく過ごせそうです!
共同ですがキッチン・洗濯機も付いていて気に入っています。

買い出しついでに街を歩いていましたら、こんな銅像を発見、「ファド」!
ロッシオ駅のお土産店の前にあります。「ユネスコ無形文化遺産」登録を記念しての銅像で、気軽に写真撮影できます。
ペソアの銅像に並ぶ新しいおすすめポイントになりそう、横に立って一緒に歌って撮ってください(#^.^#)
それでは今夜からファドのお店へ行ってきます。
Até logo!
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今朝、関西国際空港を出発いたしまして・・・

ただ今、オランダ・アムステルダムで乗り換え待ちをしております。
気温17度、くもり。今はヨーロッパは過ごしやすいので、飛行機も満席、空港内も人が多いです。
約5時間の待ち時間、一人で行く場合はちょっと辛いのですが、苦労すればこそのリスボンが待っています。
それでは、また後程。
Até logo!
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