リスボンでの時間、演奏することももちろんだけど、
様々な思いを心に、体に刻むことが私にとっては本当に大切。
外国人の私が歌うことを心から歓迎し応援してくれるポルトガル人がたくさん居る。
日本の皆さんも一人ひとり思い浮かべ抱きしめる。
縁結びの聖アントーニオの教会で一人過ごす、涙があふれて止まらなくなった。
師匠と同じ名のリスボンの守護聖人の前でただただ感謝した。
時々受ける中傷を恐れる自分が情けなく、泣いた。
非難する人よりも、私に愛をくれる人がこんなにたくさんいるのに、何を恐れていたのかと。
滞在1週間が経ったころ、いろんな想いを洗い出せたことが私にはとても良かった。
あと1週間、この石畳と、風と空と、
大切なポルトガルの友人たちの声と優しさを私に刻んで帰ろうと誓って。
愛すること、悲しむこと、悩むこと、喜ぶこと、すべて私のファド。
Até logo!
Posted in 2016年10月ポルトガル滞在記, 日記 | Comments Closed
10月7日はピアニスト ジュリオ・レゼンデとのコンサートでした。
昨年11月に東京で来日ジョイントコンサートを行ったジュリオと再共演です。
「ポルトガルへ来たら一緒にまた演奏しよう」と約束していました。
マネージャーのアナ特製の昼食後リハーサル。矢野さんも急遽出演が決定、ポルトガルデビュー!
かつて銃の製造工場だった建物をアートスペースに変えた会場、
「Fábrica Braço de Prata」、武器を楽器に持ち替えた場所です。
ギャラリーとライブスペース、図書館、レストランがあり夜な夜なリスボンの人たちが集まります。
木のぬくもりがあたたかいステージ。
サウンドチェック中
~ビデオ画像から~ ジュリオのトリオと
プログラム最後は「暗いはしけ」、私の書いた日本語で歌いました。
細胞ひとつひとつで感じて歌うジュリオとのファド、日本の時よりも心はより大きくふるえ声になりました。
満席のお客様と国を越えたファドの夜、糧となる時間がまた増えました。
ありがとうございました!
お店が撮影した動画は「こちら」をどうぞ。
『日本から吹いた風がファドの声を運んできた
ジュリオ・レゼンデと津森久美子の特別なファドの夜』
と紹介してくださっています。
Até logo!
Posted in 2016年10月ポルトガル滞在記, 日記 | Comments Closed
リスボンへ来たら必ず歌いに行くのがBairro Alto地区の居酒屋A Tasca do Chicoです。
こちらは曜日限定でファドの夜を行っています、今回も歌いました。
お店の所属歌手が歌うのではなく、歌いたい人が集まる「Fado Vadio」形式です。
Vadio(ヴァディオ)という言葉は「野良犬の」「持ち主のいない」等の意味があります。
つまり「みんなの」という解釈です、これがファド文化の良いところ。
このファド文化に私も迎えてもらって8年が経とうとしています。
最初に連れてきてくれたのは日本人ファド歌手の高柳卓也さんでした、ありがとうございます。
ファドの夜に欠かせない司会者でファド歌手のジョアォンさん。
「おお~、クミコ!おかえりー、もちろん歌うだろ?」
この歓迎をしてもらえるのが私の大切なファドの1ページ。
伴奏は信頼厚いプロのギタリストたちです。
ポルトガルギターのフラービオさん(右)はこちらで長く弾いています、
彼も音と心に寄り添うギタリスト。
ギタリストの間に立って、曲名を告げて前奏が始まるときはとても幸せになります。
このFado Vadioをやっているお店の素敵なところは、世界をまわるような歌手やギタリストたちが突然やってきたりするところです。
Mariza やAna Mouraも歌っていくことがありますよ。
最近は観光客も非常に多く、今回もお店に来るポルトガル人が減ってしまっていたので少し寂しい思いもありましたが、
変わらず皆がファドを愛してやまないエリア、
道を歩けばいろんなところからファドの音が聴こえてきます。
Até logo!
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